一般歯科

一般的な歯科診療について

美味しく食事するためには、健康な歯が欠かせません。そのためには、口腔内の環境を良い状態で保つ事が大事です。
大人のむし歯の場合、早期発見・早期治療が大事です。
当院では、可能な限り健康な歯を保存し、なるべく抜かないような方針を採っています。そのためにも、早めに治療においで下さい。
また歯医者さんでの治療も大事ですが、日常のお手入れと定期検診を受けて頂くことが、むし歯予防につながります。予防歯科という概念と正しいお手入れ方法や知識を持って頂くことが大事です。

むし歯について

むし歯は歯垢の中のバイキン(ミュータンス菌)が作り出す酸によって、歯が溶けていく感染症の一つです。ミュータンス菌は、例えば砂糖の入った甘いものを食べると、酸を作ります。この酸によって、歯が溶かされます。

むし歯と歯並びの関係

毎日、ちゃんと歯磨きをしているのにむし歯になってしまった・・・
こんな経験はないでしょうか?
実は、歯並びはむし歯のなりやすさに大きく影響されます。
通常、むし歯は歯と歯との境目からできます。歯並びが悪いと歯ブラシが届かず、また、歯の間に食べ物が挟まりやすくなります。そのため、その部分からむし歯になりやすいのです。
歯並びを治す方法として「歯科矯正」があります。歯科矯正は歯並びが良くなることで、見た目がきれいになるだけでなく、むし歯や歯周病の予防にもつながります。

むし歯になりやすいところ

初期のむし歯を除いて、むし歯は一度かかると自然には治らず、どんどん進行していきます。むし歯になりやすいところを把握して、むし歯を未然に防ぎましょう。

  • 歯のかみ合わせの面の溝
    奥歯のかみ合わせの面には溝があります。
    溝は複雑な形になっているために汚れがたまりやすく、また奥歯は歯ブラシが届きにくいため、奥歯のかみ合わせの面の溝はむし歯になりやすい部位です。
  • 歯と歯の間
    歯と歯の間もむし歯になりやすい部位です。歯と歯の間は、歯ブラシだけでは十分に汚れが取り切れないことが多く、最もむし歯になりやすい部位の一つです。
    歯と歯の間の清掃は、歯や歯肉の状態に合わせて、歯ブラシだけでなく歯間ブラシやデンタルフロスなどを使用することも大切です。
  • 歯と歯肉が接する部分
    歯と歯肉が接する部分も注意が必要です。歯の面の隅にあるため、汚れがたまってしまうことが多く、むし歯になりやすいところです。
    また、正しい歯のみがき方をしないと、歯と歯肉が接するところを原因として、知覚過敏がおきることもあります。
  • 奥歯のほほ側の小さなくぼみ
    奥歯のほほ側には、かみあわせの面と同じように溝があります。この溝もまたむし歯になりやすいので注意が必要です。

むし歯の原因と治療法

むし歯は、感染症のひとつです。つまり、お口の中にいる細菌によってむし歯になるのです。
お口の細菌は砂糖を栄養として増えていき、ネバネバとした物質(歯垢)を作り出します。
そして、歯垢の中で砂糖を分解して作られる酸が歯を溶かしていき、むし歯になります。
むし歯は、CO~C4までの5段階のレベルに分けられています。

  • C0

    要観察歯

    初期のむし歯です。フッ素を用いたプロフェッショナルケアにて、歯質の再石灰化を図ります。

  • C1

    エナメル質のむし歯

    歯の表面(エナメル質)に穴があいた状態で、痛みはまだ感じません。なるべく削らずに詰め物をします。

  • C2

    象牙質のむし歯

    歯の内部(象牙質)にむし歯が達した状態で、甘いものや冷たいものが痛みます。詰め物の治療を行います。

  • C3

    歯の神経のむし歯

    歯髄(神経)までむし歯が進行し、激痛が起きる事があります。 根管治療が必要となります。

  • C4

    歯の根のむし歯

    歯がほとんどむし歯に浸食され、歯の根っこだけが残った状態です。入れ歯やインプラントの治療を考えます。

根管治療について

できるだけ歯を抜かないための根管治療

むし歯が深くなってしまうと、根管治療をする必要があります。
「根管」とは、歯の内部の神経や血管が通っている管のことで、そこまでむし歯が浸潤してしまうと、内部の神経や組織がむし歯の菌に冒され、放っておくとあごの骨まで溶かしてしまうことがあり、最終的には歯を抜かないといけなくなってしまいます。
根管治療では、歯を抜かずに残し、少しでも長く使っていただけるように、根管内の膿や菌をきれいに掃除し、殺菌後は再発しないようお薬を詰めていきます。
小さな歯の内部を触るため、とても高度な技術と注意力が必要な治療です。
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を利用することで、今まで見えなかったものが見えるようになり、しっかり目で確認しながら治療精度を飛躍的に高めた治療が可能になります。

歯周病について

歯周病は、歯の周辺のプラーク(歯垢)に繁殖した細菌によっておこる病気です。
風邪などのように休息をとったり自然治癒力に頼ったりしても治ることはありません。
歯茎の炎症が一時的に治まる程度のことはありますが、歯周病そのものは進行を続けています。
歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けていくので、最終的には歯が脱落してしまいます。 比較的早い段階で現れる症状として「口臭」「歯茎の腫れ」「起床時のネバつき」などが挙げられますが、そもそも歯周病は症状の現れにくい病気です。
無症状のうちから予防・定期検診に取り組みましょう。

歯周病をそのまま放置しているとどうなるか?

  1. 第一段階歯肉炎

    歯の周囲にある歯ぐきだけが腫れている、比較的軽度な炎症のことです。
    しかし、この歯肉炎を放置したままにすると症状が悪化してしまい、次のステップである「歯周炎」になってしまいます。丁寧な歯磨きや、歯科医院でスケーリング(歯肉より上の歯石除去)を行なうことで、元の健康な歯肉へと回復します。できるだけ初期の段階で進行を止めることが大切です。

  2. 第二段階軽度歯周炎

    歯肉の炎症の度合は第一段階とほぼ同様です。
    この時点では、自覚症状はほとんどありませんが、もう少し進行すると、歯の浮きや歯肉のかゆみを感じ、歯磨きのたびに出血するようになってしまいます。
    歯科医院でルートプレーニング(歯周ポケットの奥深くのプラーク・歯石除去)を行なうことで、歯を失わずに済みます。

  3. 第三段階中等度歯周炎

    歯肉が赤紫色に腫れてきます。
    歯周組織の破壊がさらに進行して歯槽骨も歯根長1/3を越えて溶け、口臭が増し、多くの人に自覚症状が出ます。歯周外科手術が必要な場合があります。

  4. 第四段階重度歯周炎

    歯が大きくぐらつくようになり、食事中など、ふとしたはずみで自然に抜け落ちてしまいます。他の歯も脱落に近い状態にありますので、放置していれば歯を次々と失うことになります。
    また、膿の発生や口臭もきつくなってきてしまいます。

定期検診で早期発見の予防対策が大切です

むし歯や歯周病は自然に治ったり、進行が止まったりすることはありません。早期に受診すれば詰め物による治療で済んだものが、進行することで被せ物が必要になります。早期の発見が何よりの予防対策として有効です。早く治療することで歯へのダメージが軽減され、治療の痛みも少なくなりますので定期検診を含めた予防に努めましょう。

予防治療

歯周病が全身の健康に深く関わっています

歯周病菌の悪影響は、お口の中だけにとどまらないことが報告されています。歯周病菌が口の中の血管を介して全身に運ばれると、血栓ができやすくなったり、臓器の炎症を引き起こしやすくなったりするなど、全身疾患を発症・悪化されることがわかったのです。「口の中の病気」と油断せずに、全身の健康のためにも歯周病の治療・予防は重要です。

糖尿病

糖尿病の患者様は、血液が高血糖になり、毛細血管がもろくなります。そのため、糖尿病でない患者様と比較した場合、毎日のお口のケアを怠ると、歯肉炎を起こしやすくなり、そのまま放置すると重度の歯周病になりやすいと報告されています。

心臓病

歯周病と心臓病には深い相関関係があり、歯周病原因菌が心臓の血管をつまらせ、心臓の血管の細胞を障害することがアメリカの研究で明らかになりました。
動脈硬化症や大動脈瘤にかかった細胞を検査すると、多くの歯周病関連菌が検出されます。

早産

歯周病にかかっている人は「早産」や「低体重児出産」の危険性が非常に高いことがわかっています。歯周病で歯列の60%以上の歯周組織が壊れていると、早産の危険性が非常に高くなるという報告もあります。早産で低体重児が生まれる危険率はなんと通常の約7倍にもなります。

肺炎

肺炎の中でも、口の中の細菌が肺に入り込み炎症を起こす肺炎を誤嚥性肺炎や嚥下性肺炎といいます。高齢になると、食べ物を飲み込むための喉の筋力が低下し、本来食道に入るものが、気管支に入ってしまうことがよくあります。誤嚥性肺炎を起こした患者様の肺からは、歯周病原因菌が高い頻度で見つかることから、歯周病と肺炎に強い関連性があるとされています。

骨粗鬆症

歯周病は、歯を支える歯ぐきや歯槽骨を壊していく病気、歯槽骨が弱くなると、歯周組織の破壊が進みやすくなるため、骨粗鬆症は歯周病を進行させる一因と考えられています。

歯周病と知覚過敏の関係性

日々の歯磨きや酸性の食品摂取などにより、歯のエナメル質が削がれ象牙質が露出することで、冷たいものや歯ブラシの毛先がふれたときに痛みを感じます。
また、歯の頭の部分はエナメル質に覆われいますが、歯根の表面はエナメル質が無い為、歯周病などによって歯根が歯茎から露出すると直接刺激が伝わるようになりしみることもあります。

知覚過敏の原因

知覚過敏の原因として以下の原因があげられます。

  • 歯周病による歯茎後退
  • 日々の歯磨きの仕方
  • 酸性の食品摂取
  • 歯ぎしり
  • 悪い噛み合わせ
  • 加齢による歯茎後退
  • ホワイトニングの薬剤
  • 歯医者での歯石除去

知覚過敏の対策

知覚過敏の対策として以下の対策があげられます。

歯がしみるのを防ぐ歯磨き粉を使う

市販されている歯磨き粉で「硝酸カリウム」という成分が配合されている歯磨き粉を使うことにより、歯の神経を守り歯がしみる症状の緩和が期待できます。

唾液量を増やす

唾液の分泌量を増やすことによって、再石灰化のサイクルをおこし、しみる症状を防ぐことにつながります。キシリトールガムを噛むなど唾液を多く出すと良いでしょう。

歯医者で治療

しみる部分に専用の薬剤を塗布してしみる原因を改善させることが可能です。また、コーティング剤やレーザー治療等もございます。
知覚過敏が気になるようでしたら一度ご相談下さい。